ぼけーっと。

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三浦しをん「天国旅行」を読んで

三浦しをんといえば、舟を編むが有名だろうか。舟を編むももちろん好きだが、私は彼女の「きみはポラリス」が大好きだ。これは恋愛短編集だが、色々なかたちの恋愛を描いている。是非読んでほしい。

きみはポラリス (新潮文庫)

きみはポラリス (新潮文庫)

 

今回読んだ天国旅行もあることをテーマにした短編集だ。私が本を読もうとするとき、購入する本は決めずに本屋をうろつく。特に気に入っている作家の本を見つければそれを手に取るが、基本は装丁が気に入ったものを買うことが多い。ジャケ買いというやつだ。この本もかわいさに惹かれて購入した。これから読むかもしれない人は、なにも知らずに、このブログは読まずに天国旅行に向かってほしい。

天国旅行 (新潮文庫)

天国旅行 (新潮文庫)

 

さて、なぜなにも知らずに読んでほしいのか。それはこの短編集のテーマが「心中」だから。あの、優しいキラキラとした表紙からは想像できないテーマだが、わたしにはそれが良かった。もし先に心中がテーマの短編集だよ!と言われたらこの本は買わなかっただろうし、身構えて読んでしまいそうだ。私ははじめ、この短編集は「自殺」をテーマにしていると思って読んでいたが、実際には「心中」をテーマにした作品が7つ。死に触れるためやや重たさはあるものの、優しさを感じる作品ばかりだった。

また、どれも真実は読み手に委ねるような形で、想像できるという点でおもしろかった。死を考えるということは、生を考えることであると思うがそれを感じる一冊だった。生きていたら、死にたさがこみ上げてくるような瞬間もあるけど、疲れた体でビールうめ〜〜って思う瞬間を大事にしていきたい。そのために生きてる。

夜中にこのブログを書きながら死について考えていたらなんだか鬱々とした気持ちが顔を出し始めたので、この辺で終わりにしよう。